今年のコロナ禍は私たちが想像する以上に、受験生を苦しめているらしい。
特に大学受験生は、今必死に受験勉強に取り組んでいるが、例年なら夏休みま
で部活に励み、あるいは夏の甲子園の応援など、夏までのいろいろな行事を経
験し、その都度友人たちと語らい、笑い、まさに青春を謳歌するようなシーン
を経て、ある時期受験勉強にスイッチを入れる。そこには鮮やかな切り替えが
あり、その切り替えがあるからこそ、夏、秋、冬へと受験のクライマックスを
演出し、生徒一人一人の人生の大きなステージに花を添えるのである。今年は
その貴重な経験がすっぽりと抜け、鮮やかな切り替えどころか、いつどこから
何が始まったのか、振り返ることもできない日々をただ何となく過ごしてきて
いるのである。
さて、目前に受験が迫ってきている。私たちが今、できるアドバイスは2つ
だけである。1つは、行きたい学校を決めたら、受験校が決まったら、迷わず
一心不乱に突き進んでほしい。何が何でも合格してみせるという強いこだわり
を持ってチャレンジしてほしいということ。さらにもう1つは、春になったら
自分がその学校の生徒の一員となっているというゴールイメージを持ってほし
いことである。そして、志望校の合格を勝ちとったら、どんな気持ちになるの
か、ぜひ私たちに知らせてほしい。以前の受験生が「フワフワして、地に足が
つかない気持ち」と形容してくれたような心情を、ぜひ教えてほしいし、皆さ
んと共有したいと強く願っている。がんばれ受験生!